スペインの南部、アンダルシア州の州都・セビリア。
スペイン広場やアルカサルなど、ガイドブックやブログなどで観光地が数多く紹介されていますが、(「地球の歩き方」からも外されてしまった)少しマイナーな「セビリア美術館」も超おすすめスポットです。
もともとは修道院として使われていた建物を利用しており、高くて美しい天井や、優雅な回廊・タイルなど、美術品だけでなく建築物も見どころのひとつ。
それなのに、、、
入場料はわずか €1.5(2024年5月時点、ユーロ圏の市民は無料)という破格!
(展示数の多くは宗教画です。)
美しい建物と、私が個人的に気になった絵画も合わせて、
写真と共にご紹介いたします。(※館内はフラッシュ無しで撮影OKです。)
※Sevillaは「セビージャ」「セビリャ」「セビーリャ」などいろいろな表記方法がありますが、この記事では「セビリア」で統一しています。
\旅のお供におすすめ/
南スペイン・アンダルシア地方の都市の魅力が
たくさんの美しい写真とともにぎゅっと詰まった1冊。
観賞用としても持っておきたくなる素敵な本です。
セビリア美術館 について
現在のセビリア美術館として開設されたのは1835年ですが、
13世紀のカスティーリャ王フェルナンド3世の指示により、
1668年にはこの土地に修道院が建てられていました。
(1810年のフランス軍の侵攻により、建物は大きな被害を受けましたが、その後修復再建されました。)
館内は年代順に14のパートに別れており、
時代ごとにスペインの移り変わりが見られるのも面白いポイント。
特にセビリアを含むアンダルシア地方は、イスラムやキリスト教などの文化が混ざり合い、発展してきた歴史があり、芸術作品にもその名残が見られます。
ムリーリョやスルバラン、バルデス レアルなど、
スペインを代表する芸術家の作品が見どころ。
スペインの中世から20世紀ごろまでの美術品を収蔵しています。
2階建ての建物で、3つの中庭があります。
回廊のタイルも美しく、地元の人と思われる方たちがベンチで本を読んでいたり、
ゆったりとした時間が流れている、居心地のよい美術館。
日差しが強い5月に訪れましたが、中庭は風の通りがよく快適で、
休憩しつつ美術品鑑賞を楽しめました。(※Wi-Fiはありません)
心に残っている作品、展示室内の様子
印象に残っている展示室、作品を
いくつかランダムにご紹介したいと思います。
スルバラン(Taller de Zurbarán)の作品
聖書を持ちイエスの象徴である仔羊を抱いています。
聖イネスの名前はラテン語で子羊を意味するため、子羊を抱いた姿で描かれるようです。
宗教画において、丸い果物は「人類の罪」を表すとされています。
紫の壁が印象的だったこちらの展示室では、以下3つの バルデス デアルの作品が特に印象に残っています。
Juan de Valdés Leal (Sevilla, 1622 - 1690)
Flagelación de san Jerónimo, 1657
聖ヒエロニムスの生涯の一節を描いた一連の 6 つの場面の一部です。
作品解説ページ☞ Flagelación de san Jerónimo - Obras Singulares - Museo de bellas artes de Sevilla (スペイン語)
Juan de Valdés Leal (Sevilla, 1622 - 1690)
Las tentaciones de san Jerónimo, hacia 1657
作品解説ページ☞ Tentaciones de San Jerónimo - Obras Singulares - Museo de bellas artes de Sevilla(スペイン語)
Juan de Valdés Leal (Sevilla, 1622 - 1690)
Inmaculada (hacia 1672)
José García Ramos (Sevilla 1852-1912)
Malvaloca, 1912
作品解説ページ☞ Malvaloca - Detalle - Museo de bellas artes de Sevilla (スペイン語)
最後に、こちらの部屋に展示されていた作品をいくつか…
Miguel Hernández Nájera (Madrid, 1864 - 1936)
La romería del Rocío, 1917
部屋に入るとすぐ目に飛び込んでくる、突き当りに展示されています。
明暗のある、鮮やかな色使いが美しい巨大な絵画。(280 x 345 cm)
作品解説ページ☞ Nueva incorporación a sala - Actualidad - Museo de bellas artes de Sevilla (スペイン語)
Gustavo Bacarisas (Gibraltar, 1873 - Sevilla, 1971)
Sevilla en fiestas, 1915
こちらも巨大な絵画で(300 X 305 cm)、展示室内でもひと際 存在感を放っていました。写真では伝わりにくいですが、この作品も光と影のコントラストが美しく、目を奪われます。
作品解説ページ☞ Sevilla en fiestas - Obras Singulares - Museo de bellas artes de Sevilla (スペイン語)
Rafael Senet (Sevilla 1856 - 1926)
La Pescadora (1885)
目が離せず、しばらく動けなくなった作品。
作品の前に立つと、ちょうどこの絵画に描かれている女性と対面する形で視線が合うのですが、実際に目の前にいて見つめられているようで、何とも言えない緊張感のような複雑な感情になりました。
タイトルは「漁師の女」と意味で、女性が仕事を終えて戻ってくる瞬間を捉えています。まるで写真のような描写で、瞬間を切り取ったように思える作品。
他にも素晴らしい作品がたくさんあります。
ぜひじっくりと鑑賞していただきたいです。
★ この美術館に収容されている展示品の詳しい解説は、こちらの記事が参考になります☟
訪れた後にこの記事に出会い、見逃してしまった作品があることに後から気付きました。
丁寧な解説付きで、たくさんの作品が紹介されています。
セビリア美術館 基本情報
開館時間 | (火)~(土) | 9:00 ~ 21:00 |
(日) | 9:00 ~ 15:00 | |
休館日 | (月) |
⚘ 入場料
- EU圏の市民 ― 無料
- その他の国 ― € 1.5
※大きな荷物は持ち込めないため、無料のコインロッカーへ☟
コインロッカーの一部
写真を撮り損ねましたが、これより大きなサイズのロッカーもあります。
★ 公式ホームページ☟
★ 公式 Instagram ☟
★ 所在地:Pl. del Museo, 9, Casco Antiguo, 41001 Sevilla, Spain
おわりに
イギリスワーホリ(YMS)から帰国後、スロバキアに渡るまでは
地元大阪で博物館のスタッフとして働いていました。(2021年4月~2022年4月まで)
当時はいわゆる「コロナ禍」で(緊急事態宣言の発令と共に)博物館も臨時休館を繰り返していましたが、
そのような状況下でも、タイミングを見計らって近隣でオープンしている施設に度々足を運んでいました。
(アイルランドワーホリで出会った友人の結婚式に参加するため(軽井沢)と在日スロヴァキア大使館に書類の申請をするため(東京)、関東を訪れ、その際に美術館にも行きました。)
日本に本帰国後も、美術館・博物館関係で働けたら嬉しいですが、それが叶わなくても趣味で美術館巡り&体験レポは続けたいなと思います。
★Instagram ではセビリア美術館以外の観光スポットの写真も投稿しています
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貴重なお時間を割いて最後まで読んでいただき、
本当にありがとうございました ⸜( ´ ꒳ ` )⸝ ♡♥
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