スコットランドはケルト文化が色濃く残るハイランド地方と、中央政府があるローランド地方の2つのエリアに分けることができます。
スコットランドの首都、エディンバラやグラスゴーはローランド地方にあり、日本から観光する場合はこちらのエリアに訪れることが多いと思いますが、ハイランド地方も自然豊かで歴史的に有名な場所がたくさんあります。
この記事では、エディンバラから1泊2日でハイランド地方を観光するツアーに参加した際に訪れた、魅力的なスポットをまとめてご紹介いたします。
※この記事に掲載されている写真は、2019年6月下旬にエディンバラから1泊2日でハイランド地方の名所を巡るツアーに友人と一緒に参加した際に撮影したものです。ジオラマモードで撮ったものもありますが、カメラで撮った写真は加工しておりません。
◆◇◆◇◆ 目次 ◆◇◆◇◆
- ラブネグ湖【Loch Lubnaig】
- ブラック・マウント【Black Mount】
- フォート・オーガスタス【Fort Augustus】
- インヴァネス【Inverness】
- アーカート城【Urquhart Castle】
- カローデン・バトルフィールド 【Culloden Battlefield】
- 【Clava Cairns】
- 【Falls of Bruar】【The House of Bruar】
- このツアーについて
- おわりに
ラブネグ湖【Loch Lubnaig】
このツアー中にいくつか湖を訪れましたが、最初にストップした場所はこちら。
6月の終わりと言えどもまだまだ肌寒かったのですが、なんと泳いでいる人もいました!
泳いでいる人たちをしばらく観察していたのですが、湖から出た直後は体中が真っ赤になっていて、
「なんでこんなに寒い中、あんなに楽しそうに泳げるのだろう」と不思議でなりませんでした。(きっと地元の人たちなんだろうな…)
ラブネグ湖(Loch Lubnaig)は カランダー(Callander)に位置しています。
カランダー市内の様子、おすすめのカフェはこちらの記事でご紹介しております。
ブラック・マウント【Black Mount】
次に訪れた場所は ブラック・マウント(Black Mount)
冬に訪れると雪で覆われた凛々しい山々を見ることができるようですが、小花が咲き乱れる初夏もこれはこれで素敵でした。
フォート・オーガスタス【Fort Augustus】
いくつか山を巡り、昼食を取った後に訪れた小さな村。
ネス湖の南西端に位置しており、ネス湖を望む View Point もあります。
フォート・オーガスタス(Fort Augustus)とその周辺の観光スポットについては下記記事で詳しくご紹介しております。
インヴァネス【Inverness】
ハイランド地方唯一の都市、インヴァネス(Inverness)
都市と言っても、こじんまりしていて落ち着く街でした。
それぞれホテル、B&Bまで送っていただき、次の日の朝に迎えに来てもらうまでは自由時間を楽しみました。
教会の多いインヴァネスの街の様子、夕食として利用したパブ、宿泊施設などは下記の記事でまとめています。
アーカート城【Urquhart Castle】
2日目の最初の目的地、アーカート城(Urquhart Castle)
このツアーの目玉の観光スポットでもある廃城です。
有難いことに途中まではお天気も良く、荒城とネス湖を写真に収めることができました。
スコットランドの王城として利用されていた時期もありましたが、現在は荒廃したままの姿で保管されています。
廃虚となったアーカート城(Urquhart Castle)の簡単な歴史についてはこちらの記事でご紹介しております。
カローデン・バトルフィールド 【Culloden Battlefield】
次に向かった先はこちら。
辺り一面何もないただの平地のように見えますが、ここは昔、数千人のジャコバイト軍(スコットランド、主にハイランド人)が亡くなった戦場です。
<カローデンの戦い(Battle of Culloden)>
(「カロデンの戦い」「カロドン・ムアの戦い」などと呼ばれることもあります)
チャールズ・エドワード・ステュアート(ハンサムで勇敢だったことから親しみを込めて「ボニー・プリンス・チャーリー(美しいチャーリー王子)」と呼ばれていました)率いるスコットランド軍(ジャコバイト軍)と、カンバーランド公爵(Duke of Cumberland、ジョージⅡ世の次男)率いるイングランド軍(ハノーバー軍)とによって行われた合戦です。
~戦いが起きるまでの歴史的背景~
1688年に起きた名誉革命の後に即位した新しいイングランド王に納得のいかなかった一派が「ジャコバイト」と呼ばれ、彼らが認める正式な王位継承者として担ぎ上げられたチャールズ。
怒濤の進撃を続け、スコットランドの大半を取り戻した時期もありましたが、イングランド軍の反撃により形勢は逆転し、追い込まれたチャールズはハイランドへと撤退します。
このときすでに、彼の軍隊は脱走兵が多く出ており崩壊状態でした。
もはや決着はついている状況でしたが、政府軍は容赦なく攻撃を続けます。
~決戦当日(1746年4月16日)~
銃や大砲を装備したイングランド政府軍に対して、貧弱な装備のジャコバイト軍。
訓練された兵士が多い政府軍は技術面においても圧倒的に有利で、槍や剣を主力にする歩兵が多いジャコバイト軍をまったく寄せ付けず、たった40分ほどで決着がついてしまいます。
ジャコバイト軍、約5,000名のうち約1,000名がその場で戦死、一方ハノーバー軍はわずかに50名ほどの死者を出しただけでした。
チャールズはなんとか戦場から逃げ出すことができましたが、残されたハイランダー(ハイランド地方の戦士たち)は処刑されたり、植民地へ流刑されるなど悲惨な目に遭いました。
その後、イングランド政府は反乱の再発防止のために、スコットランドの象徴であるキルトやタータンの着用を禁じ、氏族制度の解体を押し進め、強大な政府軍をハイランドに常駐させました。
スコットランド人(特にハイランド地方の人々)が今でもイングランド人を良く思わないのは、こういった歴史も深く関わっているからなのかもしれませんね。
個人的にキルトやタータンチェック柄がとても好きなので、悲しい歴史を乗り越え、今でも受け継がれていて本当によかったなあと思います。
のどかで平和そうに見えるこの広大な土地で、過去に残虐な戦いが行われていたのかと思うとなんとも言えない気持ちになりました。
【Clava Cairns】
カローデン・バトルフィールドのすぐ近くにある史跡。
正直に申し上げると、特別な感情が湧き上がることもなく、
この場所の良さが自分にはよくわからなかったのですが、岩が好きな人にはおすすめの場所です。
そう言えばストーンヘンジにまだ行ったことがないのですが、行かなかったら行かなかったで後悔するのかな…
(訪れたことのある友人は皆、口を揃えて「わざわざ行かなくてもいいよ」と言うんですが、それが逆に気になります…。
真冬に訪れた台湾人の友人は「冷凍庫の中で全力で扇風機を回転させた寒さ」と言っていました。覚悟を持って行けばなんとかなるレベル!?)
【Falls of Bruar】【The House of Bruar】
ツアーの最後に立ち寄った場所。
Falls of Bruar は大きなデパート The House of Bruar のすぐ裏側にあり、徒歩約20分~25分程で辿り着くことができます。
滝の見える撮影スポットに向かう途中、
偶然ネッシーのように見える木を発見し、ものすごくテンションがあがりました。
旅の最後に貴重な体験ができ、大満足!
その他の写真はこちらの記事に載せています。
このツアーについて
エディンバラ発着1泊2日の旅で、
宿泊代込み・食事代は別途必要で1人 £179でした。(2019年6月時点)
※宿泊施設によって値段は変わりますが、私たちはB&Bを選択しました。(三ツ星ホテルを選択する場合はもう少し価格が上がると思います。)
「レンタカーを借りて自分たちでまわる方が安く済むのでは?」という意見もあるかもしれませんが、
一緒に旅行してくれた友人も私も国際運転免許証を持っておらず、公共交通機関での移動はかなり限られているため、ツアー以外の選択肢はありませんでした。
しかし、ガイドのスコットランド人のお兄さんの説明がとても面白くてわかりやすく、歴史的な背景を教えてもらった上で観光スポットを効率良くまわることができたのは、やっぱりツアーの特権かな~と思います。
ツアーに参加していたのは10名程度。
アジア人は私たちとインド人のご夫婦だけで、後は欧州の他の国からの観光客、アメリカ、オーストラリアなど多国籍なメンバーでした。皆さん気さくで親しみやすい人ばかり。
時間が限られている人、車の運転が難しい人はツアーに参加するのもおすすめです。
おわりに
記憶に強く残っている旅の思い出はいくつかありますが、このハイランド地方を含むエディンバラの旅は、その中でもかなり特別なものです。
イギリスで最初にお世話になった会社で部署移動をするときに、3日間いただいた休暇中に弾丸で訪れた旅でした。
朝7時から午後3時までの早朝シフト終わりに、そのまま長距離電車に乗ってマンチェスターからエディンバラへ。
部署移動と言っても、厳密に言うと同じグループの別会社なのでオフィスも異なります。
職場で顔を合わせることができるのもその日が最後。
出勤の最終日にはサプライズでみんなからの励ましの言葉が綴られたメッセージカードとプレゼントを用意してもらっていました。
とても短い間でしたが、職場のみんなには本当にお世話になり、お別れをするときにいろんな感情が込み上げてきました。
(今でもときどきFaceTimeをしたり連絡を取り合ってくれる同期のお友達がいて、短い期間でもここで働くことができて本当によかったなあと思っています。)
少し物思いに耽りながら電車に揺られること4時間弱、エディンバラに着くと友達が駅で待ってくれていて、数カ月ぶりの再会だったので話が止まらず…
最初にお世話になった部署は日本人が自分一人だったので、久しぶりに日本語で友達と語り合える嬉しさもあり、ひたすらパブで喋り続けていたのも懐かしい思い出です。
そしてその翌日、早朝からハイランド地方を巡るツアーに参加という流れでした。
正直疲れていて移動中は爆睡してしまうこともあり、バスドライバー兼ガイドのお兄さんの説明を聞き逃してしてしまうこともあったのですが、とっても印象に残る旅になりました。
日本からのイギリス旅行でハイランド地方を訪れる人は少ないかもしれませんが、今後長期滞在をされる方は、
ガイドブックにはあまり載っていないスコットランドの大自然も楽しんでいただければ幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございましたʕ·ᴥ·ʔ ♡︎⋈*。゚
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