アルバニアの世界遺産・ベラト旧市街を見下ろすように聳え立つベラティ城。
一見ただの石造りの要塞のように見えますが、このお城には特別な特徴があります。
それは「今も人が住み、暮らしている」ということ。
紀元前のイリュリア人の要塞から始まり、ビザンツ帝国やオスマン帝国の時代を経て今に至るベラト城は、
ただの観光スポットではなく、何世紀にもわたって人々の生活と信仰を守ってきた“生きている城塞”です。
ベラティ城の歴史や見どころを、2025年5月に撮影した写真と共にご紹介いたします。
紀元前から続く、長いベラティ城の歴史
記録によると、ベラティ城の原型は「紀元前4世紀頃」のイリュリア人によって造られたとされます。
- 4〜6世紀
ビザンツ帝国の時代に拡張。キリスト教の教会が多数建てられました。 - 13世紀
アルバニア王国の時代に城塞としての現在の形に近づく。 - 15世紀以降
オスマン帝国の継続時代に入り、イスラム教と正教会が共存。 - 2008年
ベラトの旧市街が世界遺産に登録。城も含まれる。
文化が重なり合う城
ベラト城の特徴は、博物館や教会といった「スポット」だけではなく、
長い歴史の中で秘められた「生きた記録」でもあること。
人が住む城ならではの「歴史の中の日常」を見つけられます。
独特な建築様式の建物を見ることもできます☟
⌚ May 2025
— トラリブ🇸🇰 𝑇𝑜 𝑡𝑟𝑎𝑣𝑒𝑙 𝐼𝑆 𝑇𝑂 𝑙𝑖𝑣𝑒 (@tra_live_) August 12, 2025
📍 Berat Albania 🇦🇱
オスマン建築様式の特徴
石造の1階部分:
防御性・耐久性のために石積み。
倉庫や家畜置き場として使用。
上階が木骨造で外に張り出す構造(オーバーハング):
狭い路地でも上階の居住空間を広く確保。
白い漆喰と黒い木枠:
日差しを反射し、木材の装飾を強調。 pic.twitter.com/5CWoz8RuxC
ベラティ城の見どころ
ひとつの街のようになっているベラト城。
広いので散策するのに時間がかかりますが、見逃せないポイントを絞ってお伝えします。
城内マップは X の投稿にも載せています☟
⌚ May 2025
— トラリブ🇸🇰 𝑇𝑜 𝑡𝑟𝑎𝑣𝑒𝑙 𝐼𝑆 𝑇𝑂 𝑙𝑖𝑣𝑒 (@tra_live_) August 11, 2025
📍 Berat Albania 🇦🇱
📌 Berat Castle/Kalaja e Beratit
ベラト城はアルバニアの世界遺産・旧市街を見下ろす丘上の要塞で、紀元前に築かれ、ビザンツやオスマン時代を経て今も人が暮らす “生きた城塞”。
城壁からの絶景や、中世の教会群、
オヌフリ博物館などが見どころです。 pic.twitter.com/kQ5y53kbJP
城壁からの絶景ビュー
マンガレム地区やゴリツァ地区、オスム川や山々を一望できる立地にあり、
写真スポットとしても大人気。
★ 特に山に囲まれたゴリツァ地区を眺められる、この場所からの景色は最高です☟
ここからの景色も絶景でした☟
正門から入るとすぐに現れる城壁。
ベラティ城は丘の上にありますが、城壁に登るとさらに高い場所から周囲を見渡すことができます☟
ベラト城内にある、聖トリニティ教会からの景色も見渡しががよくておすすめ☟
聖トリニティ教会
城内には20以上の教会が存在したとされ、現存もいくつかの石造りの教会が残っています。
特に「聖トリニティ教会」は外観だけでも見ごたえがあり、城内で最も写真を撮りたくなるスポットのひとつ。
(残念ながら、私が訪れたときは閉まっていて中には入れませんでしたが、)聖トリニティー教会は13~14世紀に建造されたと伝えられており、古典的なビザンティン建築が美しく、外観だけでも迫力がありました。
⌚ May 2025
— トラリブ🇸🇰 𝑇𝑜 𝑡𝑟𝑎𝑣𝑒𝑙 𝐼𝑆 𝑇𝑂 𝑙𝑖𝑣𝑒 (@tra_live_) August 14, 2025
📍 Berat Albania 🇦🇱
📌 Berat Castle/Kalaja e Beratit
聖トリニティー(三位一体教会)
訪れたときは残念ながら閉まっていましたが、
内部には最後の晩餐や受難などの宗教画も残っているそうです。
周辺に羊小屋があり、
ヤギもいました🐐🐏🤍 pic.twitter.com/zqn3iEXSCy
Church of St. Sophia
ベラティ城の中で個人的にもっともお気に入りの教会。
外観はとてもシンプルで小さな教会ですが、中に入ると美しいフレスコ画にはっと息を呑みます。
しばらく呆然として眺めてから、写真を撮っていると、後ろから教会の関係者らしき人が入ってきました。
写真撮影をしていることを叱られるかなと思いましたが、「少し待って」と言われて照明をつけてくださいました。「これでもっときれいに撮れるでしょ。」って。優しすぎ🥺
(言葉でのコミュニケーションは取れなかったものの、ジェスチャーで会話してくれました。「アルバニア人が優しくて感動した」という旅エピソードをよく聞きましたが、こういうところなんですよね、きっと。)
⌚ May 2025
— トラリブ🇸🇰 𝑇𝑜 𝑡𝑟𝑎𝑣𝑒𝑙 𝐼𝑆 𝑇𝑂 𝑙𝑖𝑣𝑒 (@tra_live_) August 14, 2025
📍 Berat Albania 🇦🇱
📌 Berat Castle/Kalaja e Beratit
聖ソフィア教会の現在の姿は、
2022〜2024年の修復工事によるものです。
歴史の変遷を物語る、趣ある建物です⛪ pic.twitter.com/G7zClWp1bA
オヌフリ博物館で正教会アートを体感
16世紀に活躍したアルバニア人のイコン画家「オヌフリ」の作品を集めた博物館。
金色の祭壇画や聖像画など、キリスト教とアルバニアの文化を学べる場所。
⌚ May 2025
— トラリブ🇸🇰 𝑇𝑜 𝑡𝑟𝑎𝑣𝑒𝑙 𝐼𝑆 𝑇𝑂 𝑙𝑖𝑣𝑒 (@tra_live_) August 15, 2025
📍 Berat Albania 🇦🇱
📌 Berat Castle/Kalaja e Beratit
Muzeu Kombëtar Ikonografik Onufri
館内には16世紀の天才画家オヌフリのイコンや、ベラトの豊かな文化・宗教遺産が展示され、訪れる人を中世アルバニアの世界へと誘います。 pic.twitter.com/DYUlwyS71K
私が訪れたときは、ひっきりなしに団体観光客や学生の団体が訪れていました。
施設前にも行列ができていたので入っていませんが、教会好きの方には人気のスポット。
その他、歴史的なスポット
(May 2025)
外側から眺めることしかできませんが、他にも歴史を感じられるスポットがいくつかあります。
レッドモスクもそのうちのひとつ。
⌚ May 2025
— トラリブ🇸🇰 𝑇𝑜 𝑡𝑟𝑎𝑣𝑒𝑙 𝐼𝑆 𝑇𝑂 𝑙𝑖𝑣𝑒 (@tra_live_) August 14, 2025
📍 Berat Albania 🇦🇱
📌 Berat Castle/Kalaja e Beratit
ベラト城内にある「赤いモスク」は、かつて礼拝堂やミナレットを備えていましたが、現在残っているのは遺跡のみ。
建設年代は不明。1417年説やそれ以前説など諸説あり、ベラトの歴史的遺産として重要視されています。 pic.twitter.com/s9yu4SLmZz
ベラト城内にある「レッドモスク」は、かつて礼拝堂とミナレットを備えていましたが、今は遺跡のみが残っています。
建設年代ははっきりしておらず、1417年のベラト征服直後説や、それ以前に建てられたとする説など諸説あります。いずれにせよ、ベラトの長い歴史と豊かな文化を物語る象徴的存在です。
聖ゲオルギオス教会は、長い歴史の中で姿を変えてきた印象的な建物です。
1990年代に行政施設へと改装され、現在の姿は伝統的なベラトの家を模した造りになっています。ファサードのアーチや石造の壁、アーチ窓が特徴的です。
敷地内には石造の鐘楼もあり、レンガ補強や装飾的な石帯、
小さな塔のある屋根など、地域らしい建築様式を見ることができます。
⌚ May 2025
— トラリブ🇸🇰 𝑇𝑜 𝑡𝑟𝑎𝑣𝑒𝑙 𝐼𝑆 𝑇𝑂 𝑙𝑖𝑣𝑒 (@tra_live_) August 14, 2025
📍 Berat Albania 🇦🇱
📌 Berat Castle/Kalaja e Beratit
ベラトの聖ゲオルギオス教会は、1990年代に行政施設へ改装された歴史的建物。
伝統的家屋風の外観と石造の鐘楼が特徴で、文化遺産として保存されています。 pic.twitter.com/UJxExXxKYP
城内のローカルな暮らしと小さな店
城壁の内側には今も家庭があり、ブドウ棚や漬物を丸ごと干している様子も見られます。
小さなカフェやお土産物屋さんもあり、観光地でありながら日常が残る空間です。
ハンドメイドのはちみつや果物も販売されていました☟
⌚ May 2025
— トラリブ🇸🇰 𝑇𝑜 𝑡𝑟𝑎𝑣𝑒𝑙 𝐼𝑆 𝑇𝑂 𝑙𝑖𝑣𝑒 (@tra_live_) August 12, 2025
📍 Berat Albania 🇦🇱
幾何学模様や植物柄には、魔除けや豊穣といった意味が込められており、
素材はウールやコットンが多く、床敷きや壁掛け、ベッドカバーとして使われます。
かつては嫁入り道具の一部としても大切に織られていたようです。
レースが飾られているのもよく見ました。 pic.twitter.com/RI767e3DBB
Instagramにも載せています☟
ベラティ城へのアクセス方法
旧市街からお城までは、徒歩で約20分〜30分ほど。
道中はかなりの急勾配が続くため、歩きやすい靴で行くことをおすすめします。
お城へ向かう坂道 ↓
おまけ〖ベラト城で出会った動物たち〗
ベラトでは道を歩いていると、よく野良犬や野良猫を見かけます。
かなり人慣れをしていて、至近距離まで近付いても、
眠ったままだったり、まったく気にしていないように感じられます。
ベラト城でもかわいい犬や猫にたくさん出会ったので、記念に写真を残しておきたいです。
放し飼いにされているお馬さんもいました🐴
聖トリニティ教会の近くには、ヤギや羊も放し飼いにされており、シェルターのような場所もありました☟🐐🐑💗
おわりに
ベラティ城は今も人々が生活を続けている場所で、世界遺産の一部でありながらも、
日常の一部を垣間見ることができる、不思議な場所です。
城内にもレストランやカフェがあるので、疲れたら休憩することもできますが、
私が2日間の滞在中に2度訪れたレストランは、リーズナブルでサービスも良く、Googleマップでも高評価の本気でおすすめしたいお店です。
ベラトのレストランやカフェ情報は、こちらの記事でご紹介しております☟
ベラトのその他の観光スポットやティラナからのアクセス方法については、こちらにまとめております☟
首都のティラナとティラナから日帰り観光できる街・クルヤ☟
アルバニア観光の参考になれば幸いです。
貴重なお時間を割いて最後まで読んでいただき、
本当にありがとうございました ⸜( ´ ꒳ ` )⸝ ♡♥
▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃
にほんブログ村のランキングサイトに登録しています。
ポチッと押して応援していただけると励みになります。
よろしくお願いいたします
☟