みなさんは日本にいったいどれくらいの「ホームレス」の人たちがいるかご存知でしょうか。
このロックダウンの間、ホームレスの人たちについてニュースで報道されるたびに、そういえば日本はどうなんだろうと思っていました。
私は生まれも育ちも大阪なので、路上生活をしている人を見かける機会はありましたが、自分から気になって調べたことはこれまで一度もありませんでした。
今回は、日本のホームレス・イギリスのホームレスの現状、自分が感じた二国間での違い、私の現在のハウスシェア生活についてお伝えしたいと思います。
◆◇◆◇◆ 目次 ◆◇◆◇◆
日本のホームレスの現状
厚生労働省の2019年度のホームレスの実態に関する全国調査(目視による概数調査)によると、全国で路上生活をしている人の数は4,555人(男性4,253人、女性171人、不明131人)であり、前年度と比べて422人(▲8.5%)減少しているようです。
また、その大半は大都市に集中しています。
1位 東京都 1,126人
2位 大阪府 1,064人
3位 神奈川県 899人
上記の図は、ビッグイシュー基金(ホームレスの人々の生活サポートを軸に貧困問題解決を目指す認定NPO法人)の公式HPより引用しました。(「ホームレス問題の現状」>「ホームレス状態の人の数」より)
このグラフを見ると、年々路上で生活している人の数は減少しているように見えます。
しかしながら、この調査には「ネットカフェ難民」や低賃金で働く住み込み労働者、24時間OPENのファーストフード店などを転々としている、安定した住居がない状態の人の数は含まれておりません。
統計上現れない「見えないホームレス」の数を合わせると、今もたくさんの人が不安定な生活をしていると考えられます。
イギリスのホームレス、日本のホームレスとの違い
イギリスでは正確な数の統計は取られていません。「ホームレス」の定義がそれぞれ異なり、その多くが公式統計に現れていないためです。
見積もりの統計によると、2017年時点でEnglandのみ(Scotland, Wales, Northern Ireland は含まれません)で4,751人が路上生活をしていたようです。(前年比から15% も上昇、2010年の統計と比べると、倍近い数字です。)
2019年には路上生活をしている人の数は4,266人まで減少しているようですが、それでもEnglandだけで日本全国の路上生活者とほぼ同じ数のホームレスの人がいることは衝撃的です。
上記グラフはBBC NEWSの Coronavirus: Funding for rough sleepers' emergency scheme to end から引用しました。
参考:
Crisis
“How many people are homeless?”
私が住むマンチェスターは、路上生活をしている人もフレンドリーな方が多い印象です。
(ちなみに、マンチェスターは大阪と似ているとよく言われています。ロンドンが東京なら、マンチェスターは大阪。見知らぬ人とでも急に会話が始まることは珍しくなく、なんというか人との距離が近い気がします。)
マンチェスターに来て、サウジアラビア出身のお友達ができました。
その子は当時、語学学校に通っていました。そこまで流暢に英語を話せるわけではなかったのですが、とても変わっていて面白い子でした。
ある時、その子がホームレスの人と話しをした後、そのホームレスの人から「英語の授業代」ということでお金をちょうだいと言われたそうです。£1だけ渡すと「少な!」と笑われたと楽しそうに話していたのを今でも覚えています。
(そのサウジ出身のお友達はずいぶん前に帰国しています。)
私の地元の大型Tesco(スーパー)の前でも路上生活をしている人がいて、その人はいつも通りすがりの人にGod Bless You! と声をかけていました。彼に食料を与える人もいました。
挨拶をするのが普通になり、逆に彼がいない日は「あれ?今日はいないな、どこにいるのかな?」と思ってしまうほど、風景の一部となっていたくらい。
(ロックダウンが始まってからは、彼がどうしているのかわかりません。)
私は日本で路上生活をしている人に話しかけられたことは一度もありません。
日本に住むホームレスの人から物乞いをされると、ショックを受けてしまうかもしれません。そばを通っても、関わらないことが普通でした。
どちらがいい悪いという話ではありませんが、イギリスでホームレスの人たちに話しかけられても「怖い」という感覚を覚えたことがないのは不思議だなと思います。
イギリスのロックダウン時における、ホームレスの人々への支援と今後について
ロックダウン開始後、 14,500人以上の路上生活者、もしくは路上生活になり得る可能性のある人たちに応急住宅が提供されました。
しかし、政府の財政援助の消尽により、地方自治体と宿泊施設の間での契約に警鐘が鳴らされています。
仮の住処を与えられた人たちが、6月末までにまた路上へ戻される可能性が出てきたのです。
コロナウイルス拡大を防ぐため、政府はカウンシルに"Everyone In"と呼ばれる緊急政策の一部として£3.2m(およそ4億3千900万円)を支給しました。
しかし今月(6月)までに、この政策に対しての政府の財政援助が終了する話が持ち上がったのです。
政府はカウンシルに追加で£3.2bn(およそ4,390億円)をこのパンデミックに対応するために支給したと発表しています、この資金は厳密にいうと路上生活者に対しての緊急政策ではないにもかかわらず。
路上に強制的に戻されることになってしまう人たちを生み出さないためにも、すべての人に定住できる家を提供できるよう、政府はさらなる措置を講じるべきだとチャリティーは唱えています。
参考:
BBC NEWS
Coronavirus: Thousands of homeless 'back on streets by July'
4 June 2020
https://www.bbc.co.uk/news/uk-52915913
ロックダウンは段階的に緩和されつつまりますが、イギリス国内で死者は4万人を超え(2020年6月10日現在)、欧州の中で最悪な状態の中、路上生活を強いられるのはとても危険なことだと思います。
私のハウスシェア生活
先日、ハウスメイトと一緒にスペインの代表的な料理、パエリアを作りました。
と言っても、私はただのアシスタント。
お料理好きなErikaに指示を出してもらいながら、やったことといえば野菜を切ったことくらいです。
あとはお喋りしながら見ていただけ (笑)
Erikaの作る料理はいつもレストランで提供される食事並みに絶品。
私は今、イギリス人の女の子とスペイン人のErikaと3人で暮らしています。
イギリス人の女の子は3月に引っ越して来たので、一緒に生活し始めてまだ3か月ちょっと。
ちょうど同い年で、お仕事の話から、ファッション・ボーイフレンドの話、コロナの話、黒人差別問題についてなど、なんでも話せる関係にはなりましたが、やっぱりErikaは特別。
Erikaとは一緒に生活して1年以上経ちました。
クリスマスやお正月も二人で一緒に過ごしたし、ハウスメイトというかもはやベストフレンド。
仕事でうまくいかなくて落ち込んだ時も、逆に嬉しいことがあった日も、帰ってきたら真っ先に話を聞いてくれて、自分のことみたいに喜んでくれたり励ましてくれました。
今までErikaの存在にどれだけ救われたかわかりません。
お互いの誕生日が3月・4月でロックダウンの真っ只中でしたが、寂しいと感じなかったのはErikaがそばにいてくれて、一緒にお祝いできたから。
(もちろん、日本からメッセージをくれた家族やお友達のおかげで、より一層幸せな気持ちになれました!ほんとにありがとう。)
ハウスメイトは正直なところ運だと思います。
友達やパートナーと同棲するわけではない場合は、誰と一緒に住むかはその時のタイミング・状況次第。
自分の意志では決められませんが、家を共有する人ってかなり特別な存在ですよね。
こんなに優しくて気が合う友達ができて、本当に私はラッキーだなあと思います。
今は引きこもりニートなので、尚のこと。
(Erikaともう一人のハウスメイトは、ロックダウン中でも外でフルタイムのお仕事をしています。)
おわりに
私は旅をするのが大好きです。
旅行中に出会う絶景や特別な経験が人生を豊かにしてくれるから、旅をすることをやめられないのだと思います。
でも、そう思えるのは帰る場所があるから。
自分のことを待っていてくれる人がいるから。
「ホーム」は私にとって「旅」と同じくらい大切なものです。
帰る家があるからこそ、また旅に出たくなる。
今は自由に飛び回ることが容易でない世界になってしまいましたが、
だからこそ、そばにいてくれる人の有難さに改めて気付くことができました。
当たり前に一緒にいてくれる人たちとの時間をもっと大切にしたいと思う気持ちが、より一層強くなりました。
安心できる場所を失ってしまったすべての人たちが、
新しい場所で、再始動できる日が早く来ることを切に願っています。
最後まで読んでいただきありがとうございましたʕ·ᴥ·ʔ ♡︎⋈*。゚
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