2020年3月23日、イギリス・ロックダウン開始の日。
イタリアやスペインの後を追うようにして、数週間後にようやくイギリスでもロックダウンが始まりました。
不安な気持ちに襲われたとき、人は少しでも安心感を得ようとして生活必需品を買い込む習性があると言われていますが、イギリスでもロックダウンの始まる数週間前からスーパーの棚はすっからかんに。
街はパニック状態で、これから先どうなってしまうのだろうとみんな不安な気持ちでいっぱいいっぱいだった日々。
2020年3月23日、渡英してちょうど1年が経った日。
1年後にまさかこんな世界が待っているとは、渡英したばかりの頃はまったく想像できませんでした。
「1年記念日、何しよっかな~」なんて呑気に妄想していたこともあったくらいです。
あれからもう9か月の時が流れたのかと思うとあっという間ですが、このパンデミックが始まってからまだ1年も経っていない事実に少し驚いている自分もいます。
こんな生活が始まったのは、もっとずっと前からだったような気さえするからです。
感染力がより強い変異種が発見されたり、
イギリスでは最近、日々4万人近い感染者が出ています。
(本日の感染者数は5万3千件を超えていました…)
どこか遠くで起こっている話ではなくて、今現実にこの地で起こっていること。
ニュースを常に追い続けると気がおかしくなりそうなので、もう今では食事中にテレビを付けて確認する程度。自分からは積極的に情報を取ろうとしなくなりました。
関心が無くなったとかそういうわけではないのですが、自分自身で予防できることは限られているし、必要以上に気持ちを落ち込ませても仕方がないかなと割り切っている状態です。
「旅をすること」が本来の渡英目的で、この夏にヨーロッパ諸国を巡るのをずっと楽しみにしていました。
長いロックダウンの末、ようやく7月にはパブやカフェ、レストランも営業を再開し、なんとか日常を取り戻しつつあったイギリス。
サマーホリデー中に海外旅行を楽しむ人々も実際にいました。
日本にいる時からずっとそれを夢見ていたのですが、自分の気持ちが追い付かず、
結局今年は1度もイギリスから出ることがなく終わってしまいそうです。
(というよりも、家からほぼ出ていません…そしてパスポートの有効期限が切れそうなので、現在所持しているものでは行ける国がもうひとつもないという現状。)
「禁止されていない時期もあったんだから、もっと自由に旅を楽しめばよかったんじゃない?」と旅好きの内なる声が聞こえてきますが、「やっぱり心から楽しめないまま旅に出るのもなんだか違うよな」と引っ掛かる自分がいました。
後者の存在感の方が圧倒的に大きかったため、悔しい気持ちはありますが、この決断に後悔はしていません。
失ったからこそ気付けたもの。
国を超えて世界中を自由に飛び回ることができるのは、
たくさんの人の協力のもとに成り立っていることで、平和な世の中だからできること。
旅に出る時は、それが遠く離れた場所なら尚更、いつだって特別な気持ちでいましたが、
安全に旅行できるこの世界をどこか当たり前のこととして捉えている自分がいました。
空港に行って飛行機に乗って、ホテルに着いたら荷物を預かってもらい、
街歩きをしてカフェや教会へふらっと寄り道をして休憩したり。
全部当たり前にできていたのは、
そこで働いている人達がいて、「人」が世界を動かしてくれていたから。
人がいなくなった空っぽの街をドローンで撮影した映像がテレビで流れているのを見たとき、
世界中のまだ見たことがない美しい景色を見るために私は旅を続けているんだと思っていたけれど、
どんな場所でもそこで生活をしている人達はいて、そんな人たちの何気ない生活の一部を見るとどこか安心できるから、ほんとはその景色を見るのも知らない街に行く大きな目的のひとつになっていたんだなぁということにふと気が付きました。
人がいない街って、なんだかすごく寂しいですよね。
地球にとっては(環境問題的には)そっちの方がいいのかな、
そんなこと言ったら不謹慎かもしれないけど…。
この記事に載せている写真についてですが、
これは家から市バスで約25分くらいのところにある公園です。
名の知れた有名な場所とかでは全然なくて、地元の人が犬と一緒にお散歩をしたり、おじいちゃんおばあちゃんがのんびりと歩いていたり、そんなのどかな場所です。
ロックダウンになってからというもの、私はひたすら公園巡りをしていました。
1番規制の厳しかったときでも、1日1回のエクササイズのための外出は許されていたので、家から徒歩圏内の公園をお散歩。
幸い家の近くには自然を感じられる場所が多く、緑の中を歩いていると心が落ち着きます。
公園を歩くのが想像以上に楽しいことに気が付いたのも、2020年に得た収穫のひとつ。
リスにも出会えます。
めっちゃこっち見てくる子。
家から徒歩10分以内にある公園、Buile Hill Park にて撮影。
リスってこんな張り付き方をするみたいです。
家のそばには野良猫ちゃんたちもたくさんいます。
最近はすごく冷えるので、家のすぐ裏にあるコーナーショップのおっちゃんが家に入れてあげているところをよく見かけます。
じゃあ、野良猫って言わないか。
でも「この子達の名前はなんですか?」って聞いたら、
「名前とか付けたことないよ」って。
毎日餌をあげてお家に入れてあげているのに、名前はつけないんだ~ってちょっと笑っちゃいました。
それにしても懐っこい子たち。
会うたびに何か話しかけてくれているのですが、ネコ語は話せないので何を言っているのかはわかりません。
それでもマタタビでもついてんのか?ってくらいスリスリしてくれます。
マタタビという植物の名前の由来はいくつかありますが、その一つには、疲れた旅人がマタタビの果実を食べたところ、再び旅を続ける活力が湧いたことから「又旅」と名付けられたという説もあるらしく…。
また旅がしたいから、私にもマタタビの実が必要だな~なんて、そんなことを考えていたら今年ももうすぐ終わってしまいそうです。
皆さんにとって2020年はどんな1年になりましたか?
当たり前の日常が無くなって、気が付いたこと・改めて感謝できたことはどんなことでしたか?
きっと2020年は、私たちにとって自分の好きなもの、好きなことを今まで以上にはっきりと意識する機会が多かった年になったと思います。
制限のある生活の中でも心の拠り所にできるもの、したいもの。
今年は国を超えての旅行は叶いませんでしたが、やっぱり私は旅をすることが大好きで、きっとこれからどんな時代になっても、旅人を続けていくんだなとそんな確信を得ました。
イギリス生活は残り僅か(数ヵ月)になりましたが、
今後もイギリス情報を発信し続けたいと思っているので、2021年もどうぞよろしくお願いいたします。
最後まで読んでいただきありがとうございましたʕ·ᴥ·ʔ ♡︎⋈*。゚
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